中央線の通勤特快が遅いのはなぜか。利用歴10年以上の私が解説します

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朝方の通勤や通学に中央線の通勤特快を利用する人は少なからずいるのではないだろうか。

種別も多く便利な中央線だが、その中でも朝方のラッシュ時にのみ運行される通勤特快が遅いことが昔から有名ですよね。

この記事では、通勤特快がなぜ遅いのかについて中央線利用歴10年以上の私が解説します。

ラッシュ時間帯の過密運転

中央線の通勤特快が遅いのは、ラッシュ時における過密運転が影響している。

中央線は、都内JR線の中でも、圧倒的に本数が多いことで有名です。朝方に至っては、ラッシュ時間帯の6時から8時の間に八王子駅で36本も運行されており、これは5分に1本の割合で通勤通学をする人にとっては有難いレベルだ。

しかし、この本数の豊富さこそが通勤特快の遅さを引き起こしています。

所要時間から見える通勤特快と快速

通勤特快と快速の所要時間を比較するための画像

通勤特快と快速の新宿までの所要時間

所要時間からは通勤特快の方が明らかに早いが、実際は遅い。

高尾始発で新宿までの通勤特快と快速の所要時間を比べてみると、停車駅の少ない通勤特快の方が快速と比べて11分早いことがわかります。

しかし、実際には過密運転をするため混雑などで先行電車が遅延すれば、必然的に通勤特快も遅延して5分から10分遅くなるケースが多々あるのです。

このように所要時間だけでは見えない背景もあり、通勤特快は「所要時間+10分」した時間と考え、余裕を持って乗車した方が良いでしょう。

国分寺から新宿まで無停車

通勤特快は、国分寺から新宿までの約20分間は無停車が続く。

少しでも体調が良くないのであれば国分寺で快速に乗り換えた方が良いです。これは、国分寺到着前に車掌から事前にアナウンスがなされている。

前述にも書きましたが、中央線のラッシュ時間帯は混雑などで遅延が起こりやすく、新宿まで所要時間以上に遅くなる時がある。

特に通勤特快を始めて利用する人は、知っておいた方が良いでしょう。

速度が遅くなる区間

ここまで主に過密運転によって通勤特快の遅さが際立っていると説明しました。

では、実際に速度が遅くなる区間はどこなのでしょうか。

実際には、高尾から国分寺までは昼間の中央特快並みに速達効果を発揮します。

しかし、国分寺から先行電車との間隔が詰まりやすく速度を大きく落とし停車してしまうこともあります。

三鷹を過ぎても、ノロノロ運転が続き、隣を走る中央線各駅停車に抜かれてしまうことも珍しくありません。

中野を過ぎると快速も通過する駅があることで先行電車との間隔がある程度確保できるため徐々に速度が上がります。

よって、過密運転による速度が遅くなる区間は、国分寺から中野です。待避線が無いなどによって通勤特快が十分な速度を出せないのです。

三鷹から中野間の5駅は待避線が無く通過待ちできない

過密運転によるノロノロ運転

過密運転イメージ図

通勤特快の速度が遅いのは、待避線が無いことも一つの要因です。

三鷹から中野までの各駅は待避線が無く通過待ちができません。これにより、通勤特快は先行の快速電車が十分進行するまでノロノロ運転せざるを得ないのです。

これは、夕方のラッシュ時間帯に運行される下り線の「通勤快速」にも当てはまります。

過密運転下で、通勤特快が十分に速度を出すには待避線を増やし、スムーズに通過させるべきではありますが、ホームを増やすのは現実的には難しいでしょう。

コロナ収束後は過密運転が解消されるのか

コロナ禍でも中央線を利用している私ですが、乗車率がコロナ前と比べて減っているのは間違いありません。では、コロナ収束後は果たしてどうなるのでしょうか。

過密運転は無くならないが混雑による遅れはやや解消

コロナ収束後も、中央線の過密運転はほぼ変わらないでしょう。

理由として

  • 本数を減らすと一部の電車で混雑が集中して遅延が起こる
  • 曜日によって利用客数にバラつきがあって不規則ダイヤは難しそう

などが主にあります。

ただし、コロナによってテレワークやサテライトオフィスを利用した働き方が変わりつつあるため、混雑による遅延はコロナ前と比べて多少減っています。

第一波の宣言下では、中央線は混雑せずに通勤特快もスムーズに遅れなしで運行されていた時がありました。

また、日中は乗客が少なく空気輸送になるほどの珍しい光景もありました。

したがって、ラッシュ時間帯の本数を減らすことは難しいですが、全体的な利用者数はコロナ前と比べて減っており、今後の時間別運賃の導入で中央線の混雑による遅れはやや解消されている可能性があります。

まとめ

  1. 通勤特快が遅いのは過密運転によるもの
  2. 国分寺から中野の各駅は待避線が少なくノロノロ運転が続いて遅い
  3. ラッシュ時間帯は、混雑などでちょっとした遅延が多く通勤特快は巻き込まれる
  4. コロナ収束後も、過密運転は解消されないだろう

いかがだったでしょうか。

通勤特快は、停車駅が中央線の中でも突出して少なく遠距離通勤には便利な電車ではありますが、過密運転により速達効果を十分に発揮できないことがわかって頂けましたでしょうか。

複々線も困難でホームを増やすことも厳しいことから、ノロノロ運転を解消するには本数を減らすことや快速も三鷹から快速区間にしてしまうなどの大きな施策が必要でしょうが、そう簡単には行かなさそうですね。

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